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当該団体と協約締結した運送会社と従業員と組合員らの結末(被害者の苦慮2)


 当会では、悪質な違法行為や不正行為を行う一部の労働組合・疑似団体(労働運動標榜ゴロ)の例として、プレカリアートユニオン(以下「当該団体」という)を挙げています。

 当該団体の社会学的特徴は、いわゆる合同労組です。その社会的実態がある職域の労働者が団結して労働条件の維持向上を図るための組織ではなく、個別労働者がそれぞれの職場で遭遇した個別労働紛争を解決するために加入し、労働組合であるという名目で相手方会社に団交応諾義務を課し、一定の解決を図るための組織であるという点にあります。

 そのため、当該団体にはその団結の基盤となるべき一定の職域というものは存在せず、職場での討議を基盤として組織の意思決定を積み上げていくという仕組みは働きにくいと思われ(目的が「職場での労働条件の維持向上を図る」ではなく、「金銭的解決」となる構造で、加入時には加入金に加え2か月分の組合費の前納(着手金的費用)が必要となり、労働者が金銭的解決に至った場合は「組合規約に定める拠出金(労働者が得ることとなった金銭の20%)」(成功報酬的費用)が必要となることとされております。)、任意解決に至らなければ提携する弁護士に委任し法廷へと争いの場を移す構造となっていると思慮されます。

 今回は、当該団体に加入した組合員らと会社がどのような結末を迎えたのか、都労委の命令事例から紹介します。

【結論】当該団体と労働協約を締結した結果、会社は裁判所から破産手続開始決定を受けて倒産し、組合員以外の従業員の分も含めて、すべての職場が失われることとなりました。

■公開されている「株式会社●●●●運送会社(令和6年不第9号事件)」を検討資料に経緯を確認します。※詳細の別紙はこちら

1、株式会社●●●●運送会社(以下「会社」という)は、貨物自動車運送事業を業とする株式会社で、平成24年3月に設立された。大手物流業者の下請けで、食料品や家電製品などを関東のスーパーマーケットや家電量販店に配送。大型トラック15台を稼働し、令和2年1月期の年間売上高は約1億9600万円を計上していました。 

2、令和5年1月頃、A1・A2・A3(以下、これら3名を併せて「A1ら」という)は、当該団体に加入しました。

3、令和5年1月28日、当該団体はA1らが加入したことを通知するとともに、団体交渉を申し入れを受けました。

4、その後、団体交渉及び事務折衝が開催され、令和5年5月22日当該団体と会社とは、「会社は、A1の2023(令和5)年5月1日就労分以降の賃金を同業種の従業員と差別せず、同業種の従業員の月額賃金の平均額を下回らないことを誓約し、正当な理由なくA1の賃金が平均額を下回った場合は、平均額との差額を支払う。」との条項(以下「本件和解条項」という。)を含む和解協定書(以下「本件和解協定書」という。)を締結してしまった。

5、令和6年1月29日、組合は、会社に対し、本件和解協定書を履行することなどを求めて団体交渉を申し入れた(以下「本件団体交渉申入れ」という。)が、会社からの回答はできない状況となっていました。

6、本件申立時(令和6年3月11日)の従業員数は10名(運転手8名、運行管理者1名、事務員1名)であったと都労委命令に記載されています。

7、令和6年4月2日付けで会社は、宇都宮地裁栃木支部に自己破産申請しました。負債総額は約1億1千万円となっていました。

8、令和6年4月30日、会社について破産手続開始決定がなされ、破産管財人が選任され、同年8月5日、都労委は、破産管財人を本件の被申立人に追加しました。

9、『破産管財人(注:会社は本件審査手続において調査及び審問に出頭せず、主張書面及び証拠を提出していない。)は、破産管財人として知り得る必要最低限の主張のみ行った。」との記述が確認できます。

10、令和8年5月13日、都労委は、「本件和解協定書の履行について協議することができず、組合の運営に支障を与えたといわざるを得ないから、上記団体交渉拒否は組合の運営に対する支配介入にも当たる。」と全部救済する命令を交付しました。

※法人が裁判所から破産手続開始決定を受けると、代表者が会社の代表権(管理及び処分権)を失い、破産管財人に専属することとなっています(破産法第78条第1項)。

 

■破産開始前まで奮闘した元代表者は、大手運送会社に長年勤め、節約しながら貯蓄した資金で独立開業し、必死に会社を成長させていました。しかし結果として、令和6年4月30日に会社は破産手続開始決定を受け、倒産してしまいました。元代表者は、当該団体に関与していない約10名の従業員の職場を確保するため、再就職斡旋などに尽力し、「自らも一から働き再出発する」と本件への悔しさを語っています。現在は、一労働者として日々額に汗を流す生活をしているという。

 

■当該団体の主張確認

#プレカリアートユニオンの社内通報窓口 【2026年7月21日14時】個人加盟ユニオンの都市伝説(YouTube書き起こし引用)

稲葉氏-1:18:49「まるまるまず債権として認められて つまり相手が反論もせずつい判断してしまったの」

関口氏-1:18:57「ていう1 件ぐらいです。もう何百件も交渉してきてなので、あのまず会社を潰すために個人加盟のユニオンがやってくるってことはありえないですし、個人加盟のユニオンが交渉始めたら会社が潰れるなんてことも、ま、ありえない。」

稲葉氏-1:19:14「むしろ業績が良くなってる会社結構ありますよ。」

と上記の直近(過去にも複数あるが)であった事案の事実とすら異なる見解を発信していることが確認できます。

■あとがき

 本件では、誰が幸せになれたのか、誰がなにを得たのかと疑問符がつくような事案です。都労委の命令は、破産管財人のみの主張で実質的な反論がないため、いわゆる欠席裁判のように当該団体の主張が認められています。しかし、元代表者は会社の代表権(管理及び処分権)を失ってその権限は破産管財人に専属し、従業員の職場は失われました。本件も、A1氏も含む全ての労働者が(A1らは自業自得ではあるが)被害を受けたとも考えさせられる事案です。

別記事でも紹介したとおり、運送業関連で当該団体の活動が多く確認できます。

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