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列車見張員死傷事故事例と当該組合員対応(退職届け錯誤無効判断)事例(被害者の苦慮3)

 当会では、悪質な違法行為や不正行為を行う一部の労働組合・疑似団体(労働運動標榜ゴロ)の例として、プレカリアートユニオン(以下「当該団体」という)を挙げています。

 当該団体の社会学的特徴は、いわゆる合同労組です。その社会的実態がある職域の労働者が団結して労働条件の維持向上を図るための組織ではなく、個別労働者がそれぞれの職場で遭遇した個別労働紛争を解決するために加入し、労働組合であるという名目で相手方会社に団交応諾義務を課し、一定の解決を図るための組織であるという点にあります。

 そのため、当該団体にはその団結の基盤となるべき一定の職域というものは存在せず、職場での討議を基盤として組織の意思決定を積み上げていくという仕組みは働きにくいと思われ(目的が「職場での労働条件の維持向上を図る」ではなく、「金銭的解決」となる構造で、加入時には加入金に加え2か月分の組合費の前納(着手金的費用)が必要となり、労働者が金銭的解決に至った場合は「組合規約に定める拠出金(労働者が得ることとなった金銭の20%)」(成功報酬的費用)が必要となることとされております。)、任意解決に至らなければ提携する弁護士に委任し法廷へと争いの場を移す構造となっていると思慮されます。

 今回は、当該団体に加入した組合員らと会社がどのような結末を迎えたのか、過去と現在の当該業務(列車見張員)事故事例(ニュース)と合わせ、都労委・中労委の命令状況などを紹介します。

<本記事の概要>

➊過去も現在も列車見張員という、定められた作業時間(定刻)に定められた見張り位置に居ないことで、以下記述のような尊い命が多数失われるという人災を招く重責を負っている資格者業務であること。

➋上記のような重責を負っている資格者業務にも関わらず、度重なる遅刻や1時間以上の寝過ごし、さらには駅構内で列車見張員制服を着用したままスマートフォンを操作していた行為を発注者に現認され、現地で直接注意・指導されていたが改善されず、会社(本社)に苦情が入り、会社の取締役などの重役者らが遠方の現場まで赴き、契約先などへの謝罪や再発防止策の対応など様々な苦労をしたことが判例からも伺える事案であること。

➌当時の担当者コメント「①現場指導の目的と経緯: 会社側が現場へ赴いたのは、人命に関わる「列車見張員」の重責を本人たちに自覚させるためです。遅刻や昼寝による不在、制服姿でホームに座り込んでの携帯ゲームなど、乗客や列車のダイヤに影響を及ぼしかねない不適切な勤務態度を指導し、再発防止の「決意表明」を提出させる必要がありました。②本人の態度と不正の発覚: 本人たちには職責の重要性に対する認識が著しく欠けており、指導を行う中で、未報告であった給与の不正受給も発覚しました。③契約先からの苦情の背景: 契約先の担当者は、遠方からの人員確保の苦労や両社間の強固な信頼関係を考慮し、当初は現場での直接的な注意に留めていました。しかし、目に余る不誠実な行為が繰り返されて一向に改善が見られず、発注者からも交代を求められる事態となったため、やむなく本社へ苦情とともに列車見張員の入れ替えを要請するに至りました。」からも当時の担当者の苦労が伺える事案である。

➍また、労働組合法上、組合側が救済申し立てや再審査申し立てを取り下げるのに際し、民事訴訟法のような相手方の同意は不要とされ、不利な判断が出るとの見通しであれば、命令書が交付されるまで取り下げ可能である。労働組合法(昭和二十四年法律第百七十四号、昭和二十年法律第五十一号の全部を改正)の制定から81年、最終改正から77年が経過した多様化した働き方が主流となった現代における労働関係法令のあり方を考える一助になればと思います。

 なお、他の事例でも取り上げたとおり、プレカリアートユニオン(外部労組・合同労組代表を標榜する清水直子の代表不存在が確認され、法的に確定。)に加入する(加入せざるを得ない独自の見解を主張する)当該労働者(本件は、残念ながら持病により亡くなられている事案であり、ご冥福をお祈りします。)も、ある意味、被害者なのかもしれない。

 

➊列車見張員が関与する過去と当該組合員怠慢事案及びその後の主な死傷事故一覧(記事公表時点の最新情報)

発生日時

発生場所・路線

被害の程度

主な原因・概要

2026年8月20日

東武日光線 新鹿沼駅構内

死者 4名(除草作業員)

見張員間の連携不足、退避未完了での合図
中継見張員が所定位置におらず現場の列車見張員と意思疎通がとれないまま、列車見張員が運転士へ「進入可能(退避完了)」の誤合図を送ったため、特急列車(スペーシアX)が減速せず進入し接触した。(警察及び国交省運輸安全委員会鉄道事故調査官調査中)

2026年3月3日

JR予讃線讃岐府中駅構内

死者 1名(電気設備工事の作業員)

見張員の確認調査中
線路で電気関係の工事を行っていた作業員が、岡山発高松行きの下り快速列車「マリンライナー75号」にはねられました。被害者:多度津町の会社員・岡道大さん(47歳、JR四国グループの四国電設工業社員)が死亡しました。(国交省運輸安全委員会鉄道事故調査官調査中)

2024年12月10日

JR東海道本線 高塚駅構内

死者 1名(軌道作業責任者)

見張員の未配置中
見張りの不徹底:列車接近に対する見張り人を配置していなかったこと。安全確認の不足:作業責任者が線路を横断または作業中に、接近する列車への十分な注意や確認を行っていなかったこと。

2023年12月5日

JR山陽線本線 笠岡駅〜里庄駅間

死者 1名(列車見張員)

見張員の線路立ち入り
夜間の保線作業中、委託警備会社の列車見張員本人が線路閉鎖されていない隣接線路内で貨物列車にはねられた。

2023年4月11日

富山地方鉄道本線 越中荏原駅〜越中三郷駅間

死者 1名(保線作業員)

専任見張員の未配置・遅れ
枕木交換作業の開始時、見張り業務に専念する列車見張員が所定の位置に到着する前に作業を開始してしまい、作業員が列車の接近に気づかず接触した。

2019年2月から4月頃

北陸地方鉄道(ホーム上ほか

契約先からの苦情

専度重なる➋列車見張員ら(当該組合員)の業務放棄(怠慢)
度重なる遅刻や1時間以上の寝過ごし、さらには駅構内で列車見張員制服を着用したままスマートフォンを操作していた行為を発注者に現認され、会社に苦情が入り、会社の取締役などの重役者らが遠方の現場まで赴き、契約者先などへの謝罪や再発防止策の対応など様々な苦労をしたことが判例からも伺える事案。

2017年12月16日

JR鹿児島本線 千早操車場構内

死者 1名(信号担当者)

見張員の配置位置不良
融雪器への点火作業において、信号担当者と操車担当者が見張りを立てずにそれぞれ単独で作業を行っていた際、列車が鹿児島線上り線を走行中に同信号担当者が同線に立ち入っていたため発生したものと推定される(同信号担当者が死亡していることから、明らかにすることはできなかった。)。

2017年2月11日

JR山陽線 糸崎駅構内

死者 1名(列車見張員)

見張員の配置位置不良(接近しすぎ)
ガイシ修繕作業中、列車見張員が列車接近承知合図を行っていたが、線路閉鎖されていない隣接線路に近づきすぎて立哨していたため、通過中の貨物列車と接触した。

2014年2月23日

JR東海道線(京浜東北線)川崎駅構内

負傷者 2名(運転手・車掌)

見張員の合図(線路閉鎖手続き前の進入
列車の運転士は、通過駅である川崎駅に進入し、速度約65km/hで惰行運転中、前方の線路上に工事用軌陸型運搬機を認めたため、直ちに気笛吹鳴と同時に非常ブレーキを使用したが間に合わず、列車は同運搬機と衝突した。列車は、1両目が左側に横転した状態で、2両目が左側に傾いた状態で全軸脱

線していた。※以下、事故報告書写真掲載

2013年2月13日

京王線 武蔵野台駅構内

死者 1名(作業員)

見張員の配置位置不良
10両編成の上り準特急第3132列車は、通過駅である武蔵野台駅のプラットホーム終端部付近を走行中、列車の運転士は前方すぐの線路左脇(前後左右は同列車の進行方向を基準とする。)から作業者1名が上り線路に立ち入るのを認めて非常制動をとったが間に合わず、列車は同作業者と衝突し、同作業者は死亡した。

1999年2月21日

JR山手貨物線 目黒駅付近

死者 5名(信号工事作業員)

不適切な見張員配置・運行情報の未確認
見通しの悪い回送列車通過ルートに対し、列車見張員の配置が不適切で機能していなかった。さらに工事指揮者が列車の運転状況を正しく確認しないまま作業員を線路内に立ち入らせたため、回送列車に接触した。

※国土交通省 運輸安全委員会 事故報告書等引用まとめ

■最新の以下の事件について頻繁に報道がなされています。

列車見張員が関わる4名死亡した事件(記事公表時点の最新情報)

 令和8年8月20日午前10時45分ごろ、栃木県鹿沼市の東武日光線新鹿沼駅構内で、線路上の除草剤散布作業をしていた50〜60代の男性作業員4人が特急列車「スペーシアX2号」にはねられ死亡する事故が発生しました。

 この事故を巡っては、安全を確保するための「列車見張員」や作業指揮者の間で複数のミスが連鎖した可能性が指摘されており、栃木県警特別捜査班による業務上過失致死容疑での捜査が進められています。

 事故の主な要因とミスの連鎖は、事故当時の状況や捜査・報道から、次のような問題点が浮き彫りになっています。

 中継見張員の不在とフライング作業現場の手前はカーブで見通しが悪いため、現場から約315メートル離れた場所に列車の接近を最初に知らせる「中継見張員」が配置される手順でした。しかし、この中継見張員は上り線での配置につく前に、別の場所から車で移動中でした。本来は配置完了の連絡を受けてから作業を始める規則でしたが、連絡がないまま除草作業が開始されていました。

 列車見張員による「進入許可」の誤合図現場から約80メートル離れた位置にいた「列車見張員」は、特急列車に対して進入を認める「黄緑の旗」を振って合図を出していました。運転士はこの合図を確認して進行しましたが、実際には作業員らの退避は完了していませんでした。

 視覚(旗振り)への過度な依存。鉄道会社の安全規則では、見張員同士や運転士との意思疎通の原則として「旗」が用いられており、無線機は不具合の懸念から補助機材としての位置づけでした。有識者からは、GPSやアラーム機器といった「視覚だけに依存しないシステム」の導入不足が指摘されています。

 この事故に関する今後の行政処分や鉄道会社が打ち出す安全対策、さらには刑事責任(業務上過失致死被疑事件:栃木県警特別捜査班)の捜査結果の公表までは時間がかかるようです。

 いずれにせよ、本件のように列車見張員(中継見張員含む)の業務では、定められた作業時間(定刻)に定められた位置にいないとこれほど大きな人災(4名死亡)という結果を招く重責を負っている有資格者業務です。

■列車見張員とは・・・

  • 列車の見張り: ダイヤや運行状況を常に把握し、列車が工事現場に近づく数分前に合図を送る。
  • 作業員の退避誘導: 笛や黄旗(または赤旗)を使い、作業員や重機を安全な場所へ速やかに退避させる。
  • 事故の防止: 列車と作業員・資機材との接触事故を防ぐ、現場の命を守る重要な役割を担う。鉄道関連工事には欠かせない有資格者である)。

➋列車見張員(当該組合員)の対応(退職届け錯誤無効判断)事例

※判例として確認できる一審判決及び控訴審判決などで確認できる概要(AI活用要約)は以下のとおりです。

・平成31年2月14日 亡Aは、株式会社A(以下「A」という。)がBから受注したC高架橋工事の列車見張員として、被告からAに派遣され、〇〇県の現場(以下「本件現場」という。)に泊まりこみで出張していた。被告から本件現場に派遣されていたのは、亡A、被告従業員D(以下「D」という。)、被告従業員E(以下「E」という。)ら3名(以下、亡A、D及びEを併せて「亡Aら3名」という。)及びF(以下「F」という。)の4名であった。

・平成31年2月18日 亡Aは、昼休憩中に本件現場近くの宿舎で昼食をとり、昼寝をしたが寝過ごしたため、休憩時間終了時刻である午後1時に本件現場に戻らず、午後2時頃に本件現場に戻った(以下、亡Aによる同日の遅刻を「本件遅刻」という)。

・亡Aが遅刻していた間は、Aの下請業者の従業員が亡Aに代わって列車見張り業務を行った。亡Aは、Aの現場監督者から、本件遅刻について、気を付けるようにとの注意を受けたが、亡Aは、通常の遅刻と同様に給料が減額になるということに思い至らなかった。亡Aは、同日の勤務につき、勤怠システム上には、遅刻がなく本件現場に戻ったものとして勤怠入力を行い、勤務実績報告書にも休憩時間を1時間と記載して、遅刻した旨を申告しなかった。

・平成31年3月11日 Gユニオン(以下「本件組合」という。)は、被告に対して、従業員の賃金の未払に関して団体交渉を申し入れた。

・平成31年4月15日頃 亡Aは、被告に対して残業代請求をしていたL(以下「L」という。)から誘われて、本件組合に加入した。

・平成31年4月19日 本件組合と被告との間で第1回団体交渉が行われた。第1回団体交渉において、本件組合は、被告に対し、亡Aら3名が本件組合に加入したことを通告した。

・令和元年5月8日 被告は、Aから、同月7日にDが遅刻をしており、あまりにも遅刻や当日欠勤が多いので列車見張員を替えて欲しい旨の苦情を受けた。

・令和元年5月9日 被告は、Aに対する謝罪等のため被告の●●支社長であるH(以下「H」という。)及び管理課長I(以下「I」という。)並びに被告の常務取締役のK(以下「K」という。)ら(以下、K、H及びIを併せて「Hら」という。)を本件現場に赴かせた。

・同日、HらがAから事実確認を行ったところ、Dに度重なる遅刻があり、Eにも遅刻があること、亡Aが本件遅刻をしたこと、本件現場の駅構内で制服を着用したままスマートフォンを操作していた行為を工事発注者に現認され、Aに苦情が申し入れられたことが明らかになった。

・H及びIは、上記の事情聴取の後、同日午後6時30分頃又は午後7時頃、Fを通じて亡Aら3名に電話連絡した。

・亡Aら3名は、夕食の後、午後7時過ぎ頃、宿舎前においてH及びIと会った。

・H及びIは、亡Aら3名に対し、過去に亡Aら3名がやったことについて改善指導をするなどと告げて、H、I及びFとともに被告の車に乗るよう指示した。

・H、I、亡Aら3名及びFは、被告の車に乗り、□□駅近くのビジネスホテルであるJ(以下「本件ホテル」という。)に向かった。車中で、Hは、亡Aら3名に対し、遅くなるはずだから拘束した分の給料は出すと告げた。

・被告の車は、同日午後7時30分頃、本件ホテルに到着し、ホテル内の一室では、部屋に人数分の椅子が用意され、Kが待っており、Hらは、亡Aら3名から事情聴取を開始した。

・Hらは、事情聴取を開始してから、亡Aら3名に対し、本件現場における勤務態度等について質問をしていった。

・亡Aら3名は、Hらから、「決意表明」として、Hらが用意した書面に反省文を書くよう指示された。

・本件決意表明には「今回の問題点」という欄の他に「今後の取組み」という欄があり、K及びHは、亡Aから本件遅刻の状況・態様を聴き取った上で、亡Aに対し、「休憩時間に、宿舎に戻り」「食事をした後に、睡眠を取り」「本来、1時間の休憩を2時間取り、迷惑を掛けてしまった。」「会社に報告をしていなかった。」などと、本件決意表明に記載するべき内容を口授し、亡Aはそのとおりに本件決意表明に記載した(以下、亡Aの作成した決意表明を「本件決意表明」という。)。亡Aは、本件決意表明は、本件遅刻をしたことに対する今後の対応を書き、今後同じことが起きないよう、注意して業務を続けて行くために書くものだと認識していた。

・亡Aが本件決意表明を書き終えた頃、Hは、「話が変わってきた。」と述べ、亡Aが、真実は遅刻したにもかかわらず、定時に勤務したものとして勤怠システム上に虚偽の勤怠入力を行い、被告から当該遅刻時間についても賃金の支払を受けていることを指摘した。

・その後、Kは、亡Aに聞き取り後、「自分のしたことを、認める文書を書いてもらえます?」と述べて、亡Aに対して自認書を書くよう指示した。

・亡Aは、Kが言うとおりに自認書を書けば、許してもらえると考えて、本件自認書を記載した。

・その後、亡Aは、「会社に報告をせずにスマートホンを活用した勤怠入力を不正に行ない、1812円を不正に受け取りました。」「今回の行為は電子計算機使用詐欺罪にあたる」「極めて重大な犯罪」「深く認識し」「会社や会社の同僚に多大なご迷惑おかけして深くおわびします」「今回の件で会社に与えた損害と信頼を失うことをしてしまったこと対して責任を持って対応します」「上記について嘘偽りなく真実であることをここに自認いたします。」と本件自認書に記載した(以下、亡Aの作成した自認書を「本件自認書」という。)。

・亡Aは、退職するのであれば警察に突き出さずに不問にするが、被告に残るのであれば徹底的に調べて警察に突き出すということだと理解し、「私も、こういうのを考えると、私もこのままずっとあれするのも、ちょっと厳しいと思うんで、こういうの書いて、退職願っていうんですか、一応、Y1さんの場合も、私まだそんなに長くないんですけど・・・。」「じゃあ、支社の方に行って出し。」と後日退職することも考える旨述べた。亡Aは、「分かりました。意味も分かりました。」と答えた。亡Aは、警察に突き出されるよりも、退職届を書いて解放されたいとの思いから、退職届を書くこととした。

・そして、亡Aは、Hが印刷してきた退職届において、退職理由を「一身上の都合」と記載した。また、亡Aは、退職日について、「令和元年5月9日」と記載した。同日付けをもって退職する旨の退職届(以下、亡Aが作成した退職届を「本件退職届」という。)に署名指印して被告に提出した(以下、同日付けで退職する旨の意思表示を「本件退職の意思表示」という。)。※D及びEも、同じ頃、Kに対し、退職届を提出した。

・令和元年5月13日 亡Aは、上記助言を受けて、被告に対し、「退職届け撤回願い」と題する文書を提出して、本件退職届を撤回する旨の通知を送付した。

・令和元年8月8日 亡Aは、東京地方裁判所に対し、被告を相手方とする本件と同趣旨の労働審判を申し立てた。

・令和2年9月11日 亡Aは、S状結腸癌等の手術を行い、その後通院して化学療法を受けていた。

・令和3年8月3日 化学療法の副作用である末しょう神経障害により、亡Aは2時間を超える移動が困難な状態にあった。同日以降、亡Aに就労能力がなくなったことに争いはない。

・令和4年3月25日 東京地方裁判所にて一審判決が言い渡された。

・令和4年4月15日 亡Aは死去し、亡Aの子(5歳年下の養子)である被控訴人が、請求について亡Aの地位を承継した。

・令和5年2月21日 東京高等裁判所にて控訴審判決が言い渡された。

※退職届無効判断によるバックペイ(賃金補償、ただし就労能力がなくなった時点まで)として、年収約367万円(毎週7万0626円×52週)が容認されており、当該団体の収入基準(組合費が最も高い)年収360万円以上の収入があったことが確認できます。

 

➌当時の担当者のコメント(独自取材)

 「苦情について会社の取締役を含む重役者3名が訪れた経緯は、『列車見張員』という資格業務の職責(些細なミスでさえ他人の人命に関わる業務)を是正・指導する目的があり、繰り返しの遅刻や昼寝による不在時間を作ること自体が人命や列車のダイヤ、工期に影響を及ぼし多数の乗客や顧客に迷惑をかけることになるから、その点について認識させた上で再発防止の決意をさせる必要があった。」

 「他者の命を預かる業務である(1つのミスで他人を死亡に至らせる事故につながる)有資格業務者である列車見張員が、ホーム上の階段に座り込み制服のまま、携帯ゲームをしている姿が乗客や顧客にどう映るのかを諭す指導も行う必要があった。現実、本人達にその職責である重要性に対しての認識は無く、加えて、その後に未報告であった給与の不正受給が発覚するという時系列であった。」

 「契約先担当者から本社への苦情は、『目に余る不誠実な行為が繰り返し行われ、現場のリーダーへ依頼し何とか改善されるように、繰り返し注意や指導するように伝えたが、現場では改善されなかった。遠方(関東から北陸地方への派遣依頼)のところ苦慮して資格者の配置をしてもらっていることや過去の取引関係を考慮してもなお、他社からの列車見張員の変更や業者の変更を求められ、やむなく、改善しない列車見張員を変えてほしいとの列車見張員入替え依頼を苦情とともに本社へ伝えるに至った。』という契約先担当者も苦渋の選択で申し入れたものであった。」

 上記のような「職務懈怠が多くある中、係争中に当事者は残念ながら亡くなったことで当然に地位確認の請求は終了しましたが、訴訟継承人(当該団体や代理人の手配により、相続限定承認手続きの上)として提出された資料によれば、実態の伴わないと思われる外国籍(中国国籍)との2年間の婚姻歴や5歳年下の養子縁組を行うなどの複雑な事情が疑われる状況で、個人的には採用担当者が何故採用したのか本当に疑義がありました。」と語っていた。

※これらの事実関係を踏まえ、以下➍記載の東京都労働委員会の判断(会社が当該労働者に対して退職勧奨した点に関し、不当労働行為の成立を認めなかった。)がされることとなったと思慮される。

➍本件組合の不当労働行為申立て(都労委判断及び中央労働委員会での再審申立て)

・令和2年4月20日(2不40)及び令和3年4月2日(3不27)、本件組合は、上記の会社(被告)が、①令和元年5月9日、亡Aに対して退職勧奨をした事実が認められ、会社の行為は、組合員であるが故の不利益取扱い及び組合の運営に対する支配介入に当たる。②本件文書送付行為等が、組合の運営に対する支配介入に当たるなどとして東京都労働委員会へ救済申し立てを行う。

・令和4年8月24日、東京都労働委員会は命令書(一部救済)を交付した。

・令和4年9月1日、本件組合は、東京都労働委員会が①会社が亡Aに対して退職勧奨した点に関し、不当労働行為の成立を認めなかったこと、②会社が命令書別紙一覧表1記載の部署をそうした点のうち一部について不当労働行為の成立を認めなかったこと、③救済方法として会社による文書掲示の方法を命じなかった点につき不服があるから、中央労働委員会に再審査を申し立てをした。

・令和6年11月5日、本件組合は、中央労働委員会の判断が示される前に再審査申立取下書を提出し、前記の再審査申立部分(都労委命令不服部分)の本件組合主張が認められないことが法的に確定した。

※なお、都労委命令の会社側の不服部分は、本記事投稿日現在も裁判所で係争中であり、確定していないという。

 当該団体の特徴として、実態がある職域の労働者が団結して労働条件の維持向上を図るための組織ではなく、個別労働者がそれぞれの職場で遭遇した個別労働紛争を解決するために加入し、労働組合であるという名目で相手方会社に団交応諾義務を課し、一定の解決を図るための組織であるという点にあります。そのため、当該団体にはその団結の基盤となるべき一定の職域というものは存在せず、職場での討議を基盤として組織の意思決定を積み上げていくという仕組みは働きにくいと思われ(目的が「職場での労働条件の維持向上を図る」ではなく、「金銭的解決」となる構造で、加入時には加入金に加え2か月分の組合費の前納(着手金的費用)が必要となり、労働者が金銭的解決に至った場合は「組合規約に定める拠出金(労働者が得ることとなった金銭の20%)」(成功報酬的費用)が必要となることとされております。)、任意解決に至らなければ提携する弁護士に委任し法廷へと争いの場を移す構造となっていると思慮されます。別記事でも紹介したとおり、運送業関連で当該団体の活動が多く確認できます。

◎最後になりますが、現在に至るまで様々な形でご尽力いただいた会員(元組合員含む)・関係者並びに代理人を担当されていらっしゃる各弁護士などの先生方へ当会を代表しここに敬意を表します。

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